電車内で扇子を使うのはマナー違反!?持ち方・仰ぎ方を含めた扇子のマナーをご紹介
扇子は軽くてコンパクトに折り畳めるので、気軽にどこにでも持ち運べます。
特に近年は夏の暑さも厳しく、いつでもパッと取り出して仰げる扇子はとても重宝します。
しかし、だからといっていつでも何処でも自分が好きなときに扇子を使って良いかというと、決してそういうわけではないのです。
このページでは電車内をはじめとした、扇子を扱う際のマナーや、「粋」な使い方をご紹介します。
扇子を電車内で使うのはマナー違反なのか!?
うだるような暑さの真夏日に、屋外から涼しい電車内に乗り込んだ後もなかなか暑さがおさまらず、思わず扇子を取り出して仰ぎたくなることありますよね。
しかし、いくら暑いからといって周囲を気にせず、むやみにあおいでしまうと、人を不快にさせたり、マナーが悪い人だと思われてしまいます。
電車内で扇子を使用する際には、注意点やマナーに配慮して使うことを推奨します。
電車内で扇子を使う人を不快に思う理由
それでは実際に世の中の人達は、電車内で扇子を使う人のどのような点に不満を抱いているのでしょうか。代表的な不満点の一部を以下にまとめてみました。
電車内で扇子を使う人のココが嫌!
- 扇子を使っている人の体臭や香水などの不快な臭いが拡散される
- 特に冷房が効いた車内だと、扇子の風があたって寒い
- 扇子の風が当たって髪が乱れる
- 扇子をあおぐときに発生する音が気になる
- 扇子をあおいでいる動作が気になる
世の中には様々な人がいて、感受性も人それぞれです。
周囲の人達の気持ちを考えて使用すれば、言い争いなどのトラブルも回避できるはずです。
ただ、電車内など、不特定多数の人が密集する室内空間では扇子の使用は避けるのが無難でしょう。
扇子の使い方やマナー
扇子は平安時代に日本で誕生してから現在に至るまで、様々な場面で多くの人々に使われ、日本の文化に根付いてきました。
道具としての扇子はもちろんですが、これまでに先人たちが築いてきた扇子の作法やマナーも同意に貴重な財産です。
先人たちが「粋」だと思った扇子の使い方やマナーをご紹介します。
使用前にひとこと断りを入れる
扇子を開いて使用する前に、周りの方々へひとこと断りを入れると粋です。一言断りを入れることで、周囲への気配りの姿勢が伝わり、扇子を使いやすくなります。
扇子の持ち方:女性
親指で要や骨の部分を持ち、他の4本指と手の甲を相手に見せてあおぎます。
この持ち方であおぐと風量が減り、その代わりにぐっと上品で優雅に見えます。
扇子の持ち方:男性
女性の持ち方とは逆で、親指以外の4本の指で要の部分を持ち、親指を外側に立てて、親指の部分が相手に見えるように使います。
完全に扇子を開かずに、少し閉じた状態であおぐのが江戸っ子らしく粋と言われます。
扇子の開き方
扇子を開く際は、勢いよく音を立てて開くのではなく、出来るだけ音を立てずにゆっくりと広げるのが基本です。
まずは扇子が縦になっていて、上の親骨(一番外側にある太い骨)が手前、下の親骨が奥になっている状態にします。あなたが右利きの場合は、上の親骨に右手の親指、下の親骨に左手の親指を添えるように持ち、右手で扇子の骨を1本ずつ丁寧に開きます。紙や布の扇面をさわってしまうと、破れや汚損の原因になるので、開閉の際は必ず骨部分を持って行うようにしましょう。
また、「運が更に開くように」という縁起を担ぐ意味で、扇子をあえて最後まで開ききらずに少しだけ残した状態で使うのも粋とされています。
扇子の閉じ方
両手で親骨を持ち、扇子の折り目に沿って、一本ずつゆっくり丁寧に閉じてください。扇面の素材が紙より厚みがある布の場合は、よりいっそう優しく閉じることを推奨します。
間違った方法で扇子を雑に開閉することで、扇子の扇面が弱ってしまうこともあるので、常に正しい開き方と閉じ方をするように意識しましょう。
仰ぎ方のマナー
扇子のあおぎ方にも実はマナーがあります。
粋な扇子愛好家はまずはじめに、扇子を使ってあおぐ前に、周囲の人にひとこと断りをいれるということです。そして実際にあおぐ際は、扇面を体と平行に持ち、胸の下から自分の顔に向かって揺らすように風を送り、静かにゆっくり扇ぎます。このように扇ぐと汗や香水などの臭いが広がりません。
暑いからと言って思うがままにパタパタと仰ぐと、見た目が下品に見えるだけでなく、周りに風が拡散され、周囲の人を不快な気分にさせてしまい、トラブルが発生する原因にもなりかねません。
扇子を使用する人が、周囲に配慮してマナーを守ることを少しずつでも意識することで、きっと扇子に関連するトラブルも減少していくはずです。
扇子は扇子袋に
扇子を持ち歩く場合には、扇子袋に入れるのがおすすめです。
和服であれば帯に扇子を裸で差しておいても、そこまで傷むことはありませんが、鞄などに 扇子を裸で持ち歩くと、扇面がすれて傷んでしまうため、扇子袋に入れて持ち運ぶことを推奨します。
扇子の購入時に扇子袋も併せて購入するのがオススメです。
まとめ
扇子を日本文化を象徴する道具として後世にしっかりと引き継いでいくためには、扇子の正しい使い方やマナーも併せて継承していくことはとても重要なのです。