楽屋のれんを贈る際のマナーと心得
楽屋暖簾(のれん)とは、演劇やコンサート・ライブ会場の舞台裏で演者さんが待機する楽屋の出入口に掛けられている暖簾のことを指します。
特に演劇の世界では、身内や親しい間柄の人やファンの方が演者さんにプレゼントする事の多い楽屋のれんですが、実際にプレゼントしてみたいけど、どのような物をどうやって渡せば良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
このページでは、楽屋のれんを贈る際のマナーや心得と併せて、楽屋のれんの意味や特徴についてもご紹介できればと思います。
楽屋のれんの役割とは?
まずはじめに、楽屋のれんとは具体的にどのような役割を果たす道具なのかということからご紹介していこうと思います。
演者やスタッフのプライバシーを守る
楽屋のれんの一番の役割は、演者やスタッフのプライバシーを守る「目隠し」です。役者やスタッフが外部からの視線を気にせずにしっかり休憩を取れたり、役作りなどの準備に集中できる環境は、演者・スタッフ各々のパフォーマンスを向上させて、より質の高い舞台を作り上げることができます。
公私を仕切る
楽屋のれんには、公私を仕切るという意味も含まれています。特に演劇の世界では、舞台上で演じる役やキャラクターと普段の自分との切り替えをサポートします。のれんをくぐりぬけることで、公私を切り替える境界線となり、より役に入り込んで演技に集中することができます。
演者やスタッフのプライバシーを守る
楽屋のれんのデザインには演目や役のイメージ、またステータスを表すツールとしても機能します。例えば、歌舞伎界の楽屋のれんは鮮やかなカラーやデザインが描かれ、役のイメージや特徴を表現する場合があります。他にも、歌舞伎俳優や落語家の楽屋のれんには、屋号・家紋・役者紋などを描くことで、芸能界でのステータスや相関関係を分かりやすく示すという役割も担っています。
楽屋のれんをプレゼントする意味とは?
楽屋のれんをプレゼントするという行為には特別な意味があります。演劇などの舞台・ステージに携わる人々や場所に敬意や謝意を示し、応援する気持ちや感謝の気持ちをダイレクトに伝えることができます。応援したいという誠実な想いを上手に伝えることができれば、受け取った相手もきっと励みとなり、パフォーマンスが向上する切っ掛けにもなりえるはずです。
贈答する楽屋のれんを贈る際のマナーやしきたり
楽屋のれんを贈答したいとお考えの方は多くいらっしゃると思いますが、いざ贈ろうとしてもどのように送ればよいか分からないという方が大半だと思います。
結論から申し上げると、楽屋のれんの「正しい贈り方」といっても、贈る人・会場・興業主などによってケースバイケースなため、これと決まった回答を断定することができません。
しかし、楽屋暖簾の長い歴史の中で築かれた、様々なしきたりやマナーが存在するといわれているのも事実です。ここからは楽屋のれんを贈答する際のしきたりやマナーについて、いくつかご紹介していこうと思います。
尚、紹介するマナーやしきたりの中には、古い慣習として現在はごく一部でしか残っていないケースもございますので、何卒ご了承下さい。
楽屋のれんのデザイン
楽屋のれんには基本となるデザイン(レイアウト)があります。一般的には以下の要素で構成されています。
■楽屋のれんの基本構成
- 役者(贈る相手)の名前:右上に「〇〇さん江」と名入れ
- 贈り主の名前:左下に「贔屓(ひいき)より」と名入れ
- シンボル的なデザイン:真ん中にイラストやロゴ、家紋などをプリント
■デザインする際のポイント
- 派手過ぎないシンプルで上品なデザインはどんな場所でも設置しやすく、長く愛用してもらえるといわれます。
ただ、近年は記載する文言や内容・位置など、デザインの自由度は高くなっているので、贈る相手に喜んでもらえる内容であれば自由にアレンジをして贈答するという方も非常に多くなっています。
楽屋のれんの素材選び
楽屋のれんを製作する際には、素材選びにも配慮することをオススメします。
丈夫で繰り返しお洗濯ができる素材なら使い勝手が良く、長く使ってもらえるはずです。
また、季節に合わせて夏は涼しげな素材、冬はあたたかみのある素材を選んで暖簾を作ればより快適に使ってもらうことができます。
楽屋のれんの渡し方やタイミング
楽屋暖簾は公演開始前の楽屋訪問時に贈ることが一般的といわれています。
楽屋は芸能・スタッフなどの関係者や、許可を受けた一般観客も訪問できる場合があります。楽屋訪問時には、出演者やスタッフに応援の気持ちを伝えたり、贈り物を渡すタイミングとして適しているとされています。
ただし、公演ごとに贈り物を渡す際のルールは異なるため、事前に公式ホームページなどを確認して贈り方について調べたり問い合わせをしてから配慮して行動するよう心掛けましょう。
尚、楽屋のれんを渡す際に、想いを書き綴ったお手紙を添えることで贈る相手により一層気持ちを伝えることができるので、手間ではありますが実践してみることをオススメします。
まとめ
歌舞伎・落語・演劇・コンサートなどの興行・エンターテインメントと伴に、長い年月をかけて育んできた楽屋のれん文化は、今後も興行とファンが存在する限り、形式を変えながら存続していくはずです。
先達たちが育んできた、良き楽屋のれん文化を後世に伝承していくためにも、今ある文化のマナーや心得も含めて、しっかりと育てながらアップデートしていくことで今よりも更に優れた楽屋のれん文化が形成されるのではないでしょうか。
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